memento naka mori

閉塞感打開用雑記。

テレビ芸能の衰退と早期退職的芸能人の引退

堀北真希が2月をもって芸能界を引退したことがニュースになっている。

natalie.mu

振り返って見ると、ここ数年「芸能人の引退」というニュースを見ることが全く珍しいことではなくなった。それも全くテレビや映画などへの出演がなくなった末や病気などではなく(それなら昔からあったわけで)、それなりに需要があるのにもかかわらず、突然引退するというケースが増えているように感じる。ここ最近だけでも、江角マキコ、成宮寛貴、清水富美加など、それなりに知名度のある人が引退を表明している。

これらには特殊な事情が絡むケースも多いが、それでも一昔前ならそれだけで引退ということはなく、何かしらで残り続けるか、一瞬休んでも復帰というパターンが多かった。しかし現在では、復帰を前提としない(と思われる)ケースが多い。

 

過去50年芸能の中心であったテレビの急激な衰退

さて、映画が衰退してテレビが媒体の主流になったのが1970年代だとすると、もうすぐ50年になる。しかしこのところ、ネットの普及による視聴率の低下やスポンサー離れ、その結果として番組制作費の減少がよく言われている。

過去50年間、あらゆる生活の中心であったテレビだが、その最高潮に注目を集め、そして最高に金を使えていた時代からは下降してくるのはもう避けようがない。それは景気の動向、ネットの普及、視聴者の生活形態の変化など、要因はいくつもあり絞れないが、言えるのは皆がゴールデンタイムにテレビの前に釘付けになったり、番組が共通の話題になるようなものではなくなってきているということだ。

そしてそれに関係している産業や人にとっても衰退は連鎖する。テレビ局以上にそれに先行して番組制作会社、芸能事務所、そして芸能人。番組制作費のコストカットや制作会社の経営危機、そして芸能人のギャラカットの話題は業界ではなくてもよく聞かれる。今後どうなるかはわからないが、少なくとも、20世紀のスターのようになるのは、立場でも収入でもほぼ不可能だろう。

 

テレビに近い人間であれば、それらテレビの将来については目に見えているが故に、これから続けるリスクを考え、無理に固執するより、他の道を模索したりしているという可能性も高いのではなかろうか。もと元芸能自体がいろんな意味で仕事としては普通よりリスクが高いものであるだろうし。その中には一般的な生活をする、というものもあるだろうし。副業や貯金などがあれば尚更。

引退の原因となる何かの出来事は、そのきっかけにすぎなかったと。

 

映画の衰退と同じ道か

テレビの前、映画、そして映画会社が娯楽の主流だった時代がある。しかし栄華を誇り六社協定など結んでいた時代以降、斜陽の一途となり、数々の映画会社や関連産業が潰れた。それはテレビの台頭が大きいが、テレビに移行した人もいれば、だんだんと芸能から去っていた人もいる。その時と同じことが今のテレビに起きているのかもしれない。ただ、その次となるであろうネットには、おそらくテレビでの人材を受け入れるキャパシティは現時点でないだろう。

 

今後増えそうなテレビ系芸能人の引退

ネットが普及しだしたのを2000年とすれば、あともう少しすると生まれた時からネットがあった世代が社会人となる(あるいはもうなっている)。となるとますますテレビの存在感は薄れてゆくか、もしくは高齢層に特化してゆくのだろう(その意味で高齢層に需要のある人はこのまま生き残るかもしれないが)。

今後ますまず芸能人の早期引退は増えてゆくのかもしれない。だけど当然それらの煽りを受けるのは、人気絶頂の人よりもそうではない人、つまり仕事のない人の方が圧倒的多数なわけで、そういう人が密かに引退していた、というケースがかなり増えるような気がする。

まあそのうちそれも数多くなりすぎて、気にならないニュースになってしまうのかもしれない。